裁判傍聴 不同意性交等

 最近よく耳にする「不同意性交」。文字通り相手の同意なしに、無理やり性交に及んでしまった犯罪です。本日は2件の不同意性交の裁判を傍聴しましたが、どちらも同意、不同意の点で全く反対の主張が展開されました。

 1件目は、マッチングアプリで出会った男女。ダーツバーで遊んだあと、ラブホテルに行き行為を行ったとのことですが、ここでの出来事の主張が全く対立しています。

 女性の主張は、ダーツバーから威圧的な態度をとられ、ダーツバーを出るとトイレに行きたいと言ったが、男性にラブホテルに連れていかれた。ホテル内で行為を拒否していたが、男性に「ボコボコにするぞ」「俺を怒らしたら大変やぞ」と言った威嚇する言葉を何度も浴びせられ、怖くなり口腔性交、膣性交に応じたとのことです。このホテル内でのやり取りは、行為が行われる手前まで録音されており、威嚇するような言葉を発したことは、男性も認めています。

 男性は、女性にはお金を渡している(会ってすぐに1万円、ホテル内で5千円)ので、同意があるとの主張。女性は元ソープ嬢で売春を普通にしている。威嚇したのは、お金を払ったのに応じないため、お金のやり取りの場面は録音していないと主張。膣性交はしたが、口腔性交は行っていないとも。

 どちらの主張が正しいかはわからないが、どちらかは大ウソつき、どちらかはとんでもない被害に巻き込まれた被害者だどちらも、自業自得かもしれないが

 2件目は、別居中の夫婦で、夫が妻を暴行し、無理やり性交を行ったという裁判。別居している(3年ぐらい)妻が、離婚に応じない夫に、離婚届にサインしてもらうよう家に行ったときに、事件が起きた。妻は以前に不貞をはたらいている。夫はたびたび暴力をふるっている。

 妻は別居している間、何度も離婚届を書いてもらうよう弁護士などを通して頼んでいるが、夫は応じない。息子の高校進学をひかえ、離婚を急ぎたい妻は、事件の日もサインを求めて、夫のいる家に行く。夫はご飯を食べに行こうと焼き鳥屋に行く。妻は、機嫌を損ねてはサインしてもらえないと思い、言うとおりにする。家に帰ると離婚のことで揉め、夫が暴力をふるう。その後、二階の部屋で性行為に及ぶ。

 

 妻の言い分は、ビンタされたり、髪の毛を引っ張られたり、恐怖になり、性交を拒むと、もっと酷いことをされると思い、性交に応じた。家を出るとすぐに警察署に向かった。

 男性の主張は、暴力をはたらいたことは認めるが、性交は同意のうえ。前から、夫婦喧嘩した後は性行為で仲直りするのが習慣だったと主張。その後、ハグしたり、口腔性交をしてもらったりと、強制ではないことを強調していました。

 この事件もどちらかが大ウソつきで、どちらかが被害者です。ただ、夫が妻に暴力をふるっていたことは事実で、妻が精神的に追い込まれていたことは想像できます。1件目の裁判のように録音するなり記録をとっておけば、と思います。更に思うことは、関係が破綻している夫婦には、離婚しやすい法整備が必要ではないでしょうか。

 不同意性交とは、最近テレビでも報道され話題になっています。性的同意を確認するアプリも開発されていますが、果たしてどこまで有効か疑問があります。下手すれば、同意があったと逆手に取られる可能性もあるのでは、と思います。

 マッチングアプリでの不適切な出会いは論外だが、別居夫婦の事件は、国の法の見直しが必要かと思います。男女の関係は細心の注意を払いましょう。

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